2010/08/26

とてもとても、大きな大きな、想像の何百倍何千倍の偶然の中で、紛れもなく存在する三匹の話(その1)


























さみしがりやなねことさぼりがちないぬとしょうじきなねこのはなし


「水色と黄色と白の間で、キミは何をしているの?」

「空に向かっているんだよ。」

「ふふふ、楽しそうだね。飛んでいくの?」

「飛べるの?どうやって飛ぶの?」

「まだわからないよ。どうやるか知ってる?」

「知らない。でもいつか飛べると思うよ。」

「いつか、か。それでいいのかもね。」

「すごく先の話なのかな?」

「どうだろうね。でもきっと飛べると思うよ。」

「空に行ったら何するの?星をつかまえるのかな。」

「そう!月も忘れちゃいけないよ!」

「太陽は、あっちぃからやめておこうか。」

「うん、きっとすごくあっちぃね。」

「あっちぃかな?とりあえず近くまで行ってみるよ。」

「そうしてみなよ。ちがう感じかもしれないね。」

「ちがう感じってどんな感じ?」

「ほら、前に話したことがあるだろう?」

「ぱらぱら雨の夜のことだ!」

「あの夜は笑ったね。」

「あんなに大きなコップに、あんなにたくさん。」

「あんなに気持ちがいっぱいあふれて。」

「またうれしくなってきたよ。」

「おなかも空いてきたしね。」

「そういえば、もう2回も寝たしね。」

「なにを食べに行こうかな?」

「なにを食べに行こうかな?」

「なにを食べに行こうかな?」